HOME保護者の方へ校長室から
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 年度末号より

平成26年度の終わりにあたり

                        校長 高原明広

 何か一つのことを成し終えようとしている時の表情は、とても良いものだと感じることがあります。それは、きっとつらいこと、苦しいことも乗り越えて、一つのことをがんばり通したという充実感があるからではないでしょうか。卒業がすぐそこに近づいてきた6年生の表情はもちろんですが、学年末を迎えた他の学年の児童も同じことが言えるように思います。

 先日、『6年生を送る会』がありました。インフルエンザでやむなく延期となり、子どもたちが待ちに待った児童集会です。お世話になった6年生のお兄さんお姉さんに何とか感謝の気持ちを伝えたい、喜んでもらいたいという全校の子どもたちの心がいっぱいに詰まった、とても素敵な集会となりました。各学年からの出し物に取り組む一人一人のひたむきで純真な表情や動作、それをじっと見つめる6年生の落ち着いた姿を見ていると、子どもたちは、その瞬間瞬間で私たち大人が考える以上に何かを学びとり、成長しているのだと改めて感じることができました。そんなかけがえのない瞬間、かけがえのない一日一日を積み重ね、そして次の学年(ステージ)へと進もうとしているのです。進級とは、ただ単に一年という時が経過したのではなく、学習面はもとより意識せずとも実に多くのことを学び、成長し続けてきた一年間を成し終えるということなのだと思います。

 学年末を迎え、まずは、そんな子どもたちの一年間の(卒業生にとっては六年間の)成長をそばにいる私たちがしっかりと感じ取り、認め、賞賛し、励ましてやりたいものだと思います。そして、更なるステージへと繋げていくことが、進学・進級という大きな節目を迎えた児童にとって、とても大切なことではないかと考えています。子ども一人一人の成長を学校と家庭それぞれが、それぞれの視点からきちんと捉え、そしてしっかりと伝えていきましょう。

 終わりに、この一年間、保護者の皆様、地域の皆様には大変お世話になりました。 小郡小学校教育の推進に温かい御支援とご協力を賜りましたこと、心より厚くお礼申し上げます。
ありがとうございました。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 3月号より

成長の証を感じながら

                        校長 高原明広
 最近、給食時間になると、めずらしく校長室が賑わっています。卒業を控えた6年生が、毎日交代で一緒に給食に付き合ってくれるからです。そのつかの間の時間は、普段全体の場で子どもたちと関わることの多い私にとって、実に楽しいひとときです。

 顔をつきあわせ、一人一人の声や表情を間近に感じながら話していると、普段とは違う新たな一面を知り驚かされることがしばしばです。慣れない校長室で緊張感を漂わせながらも、小学校生活の思い出や中学校生活に向けての思いを自分の言葉で懸命に語ろうとする姿、屈託のない笑顔や生き生きとした表情、照れながらも臆することなく得意なパフォーマンスを披露してくれる勇気に、思わず胸が熱くなります。そして、終始礼儀正しく実に落ち着いた6年生らしい

 一挙一動に、12歳としての成長の証をしっかりと感じとることができるのです。

 思えばこの一年間、6年生はいつも最上級生としての強い自覚と責任感で、小郡小学校をしっかりと引っ張ってきてくれました。後輩たちはそんな頼もしい後ろ姿を追いかけ、あこがれを抱きながら過ごしてきました。まもなく巣立ちを迎える6年生は、その役割をほぼ終え、重責は5年生に引き継がれていきます。

 先日、まもなく入学してくる新1年生が就学説明会で来校したとき、その手を優しく握ってしっかりとエスコートしてくれたのは、6年生からバトンを受け継ぐ5年生でした。ちょっぴり照れくさそうにしながらも、一生懸命お世話をするその姿は、すでに新しいリーダーとしての自信すら感じさせるとても素敵なものでした。また、新1年生との楽しいふれあいの会は、4月からいよいよお兄さんお姉さんになる現1年生が、張り切って何日も前から計画し準備してきてくれたものでした。

 それぞれの学年には、発達段階に応じてその学年だからこその学びの場というものがあり、それは、他の学年にはないその学年がもつ良さや特徴だともいえます。その学年に応じた成長の証をしっかりと感じ取り、それを伝え、次のステージへと向かわせたいと思います。

 新しい命が限りなく息吹く3月、子どもたちがさらに輝きを増す季節にしたいと考えています。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 2月号より

一層信頼される学校をめざして −P-trustアンケート(保護者対象)結果より−

                        校長 高原明広

 3学期がスタートして、早3週間が過ぎました。6年生は、卒業に向けて小学校生活の総仕上げに、また5年生以下は、次の学年に繋ぐべく一年間のまとに取り組む時期を迎えようとしています。そのような中、各教室を回ってみると、日々実に落ち着いて、集中して学習に取り組む姿を見ることができます。この学習環境を大切にし、確かな力をしっかりと定着させていきたいと考えています。
 
 さて、今、小・中学校には、互いに連携して義務教育9年間というスパンで児童生徒を育てていくことが求められています。そのような中、小郡中学校と小郡・上郷・小郡南の3小学校では、「4校そろって一層信頼される学校へ」をスローガンに、小中学校の連携を今以上しっかりと推進していくことを申し合わせています。そのスローガンにある「信頼」と言うことについて、2学期末に、P-trustというアンケートをとらせていただきました。学校に対する保護者からの信頼度を客観的に把握し、今後の学校改善に生かして行くため、小郡中学校に続いて小学校でも実施しました。

 P-trustというのは、愛媛大学教育学部の露口教授が開発したもので、学校への「期待感」と「協力的態度」の二つの側面から、保護者対象のアンケート結果をデータ処理して状況を分析するものです。

 信頼度は、「関係的信頼係数」として表され、28ポイント以上が信頼される学校の目安とされています。先日、愛媛大学から結果が届きましたので、その一部を報告いたします。

 小郡小の関係的信頼係数は、37.1ポイントでした。保護者の皆様の学校に対する思いがひしひしと伝わってきて、勇気づけられるとともに、その思いになお一層応えていかなければと意を新たにいたしました。

 その中で、小郡小学校の学校改善状況をお尋ねする学校改善主要3項目について、肯定率の基準値を100としたときに、

○『落ち着いたよい学校だと思う。』が106
○『先生は、指導力が高いと思う。』が103
○『着実に改善が進んでいる』が102  という結果でした。

 いずれも基準値を超えていますが、さらに改善が進んでいると感じていただけるよう、なお一層の努力をしてまいりたいと思います。

 特に肯定率が高かった項目としては、

○『PTA活動にはできるだけ参加したい』が151
○『PTA活動には積極的に協力している』が131  という結果でした。

 PTA活動の側面から、学校に協力し学校を支えていこうという保護者の皆様の思いをとてもありがたく感じ取らせていただきました。

 教育は、お互いの信頼関係があってこそ成り立つものであり、児童との信頼関係、保護者や地域の皆様との信頼関係が何よりも大切であると考えています。厳しいご意見はもちろんのこと、今回のアンケート結果を貴重な資料としてつぶさに分析をし、小中連携のあり方を含む今後の学校運営にしっかりと生かしてまいります。
 ご協力ありがとうございました。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 1月号より

一年の終わりに

                        校長 高原明広

 年末を迎え、家の片付けや大掃除に取り組まれるご家庭も多いのではないかと思います。学校でも、終業式が終わった後、日ごろよりも多く時間をとり、一年間お世話になった教室などへの感謝の気持ちをこめて、大掃除に取り組みます。

 さて、その大掃除に欠かせないのが雑巾がけですが、「学校の雑巾がけ」と言えば、保護者の皆さんはどんな光景を思い出されますか。おそらく、長い廊下を「ヨーイドン」で速さを競っていた、どちらかと言えば、きれいにすることよりもその競争感覚を楽しんでいた、あの雑巾がけを思い出されるのではないでしょうか。あれはあれで良いのですが、実は本校の雑巾がけはちょっと違うのをご存知でしょうか。

 まず、雑巾を半分か4分の1に折ります。両ひざを着き、移動せずにその場で目の前のスペースを左から右、拭いた所をもう一度右から左へと雑巾を一往復させた後、その雑巾の幅ほど手前に移動します。これが一つの動作です。両膝をついたまま少し体を後ろにずらしながら、この動作を板目に沿って繰り返していくのです。横(右へ)・横(左へ)・手前と三拍子がひとつの動きになることから、これを「三拍子拭き」と言うそうです。これだと時間はかかりますが、雑巾がけに集中でき、拭き残しもなく、自分と向き合いながら心をこめて学校を美しくすることができるのです。

 二学期はじめ、入学してまもない一年生が、教室の廊下をこの三拍子拭きをしている姿が目に留まりました。誰から教わったのかとたずねたところ、六年生から教わったのだと答えてくれました。あとでわかったのですが、小郡小学校では、慣れない一年生のために六年生がしばらくの間掃除の仕方を教えにきてくれることになっており、まず最初にこの三拍子拭きを六年生が一年生の手をとりながら教えてくれたのだそうです。

 ひざを着いて雑巾がけをする姿は、家のつくりの変化とともに見かけなくなってきた昨今、まさか学校で、しかもそれが当然のように受け継がれていることに、とても大きな感動を覚えました。

 そんな素敵な六年生は、そろそろ巣立ちの準備です。一年生は日に日にたくましくなり、朝の「おはようございます」というあいさつも決して上級生に引けをとらない程になりました。

 まもなく平成26年が終わろうとしています。この一年、子どもたちが織り成す様々なドラマに立ち会いながら、私たち教職員は、子どもたちから本当に多くの感動をもらい、人が成長することのすばらしさに幾度となく気づかされてきました。そんな一年を過ごすことができたことを本当にうれしく感じています。来る平成27年が、子どもたちにとって更に素晴らしい一年になることを願って、二学期をそして平成26年を終えたいと思います。

 保護者の皆様、地域の皆様、今年も大変お世話になりました。どうぞよい年をお迎えください。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 12月号より

よりよい読書習慣の定着に向けて

                        校長 高原明広

 早いもので、今年もまもなく師走を迎えます。2学期を、そしてこの一年を振り返り自分の成長に気づくとともに、新たな気持ちで新年を迎えられるよう、大きな節目に向かって有意義な12月にしていきたいと思います。

 さて、先日、図書委員会の6年生男子が校長室を訪ねて来てくれました。「とっておきのお薦めの本を一冊紹介してほしい」と、アンケート用紙を届けてくれたのです。ここは、ぜひとも期待に応えなくてはと、薄れかかった記憶をたどりながら、悩みに悩んで一冊の本の題名を書き記しました。

 本校では、11月17日(月)〜23日(日)を『秋の小郡小読書週間』と位置づけ、読書に対する意欲や関心を高めようと、図書委員会を中心にして、創意工夫を凝らした様々な取り組みを行いました。図書委員会の児童が教職員対象に行ったアンケートをもとに、25名の教職員の一押しの本が並んだ、『先生おすすめの本の紹介』コーナーの設置もその一つです。

 また、図書館前には『読書郵便専用ポスト』がお目見えしました。『読書郵便』とは、全校児童各自が、友達に自分の好きな本やお薦めの本を紹介するお手紙を書き、この読書郵便専用ポストに投函すると、図書委員会の子どもたちが届け先のクラスまで配達してくれるというものです。

 このような読書活動の推進は、何も読書週間に限ったことではありません。図書館司書教諭と市から派遣される図書館指導員、そして図書委員会の子どもたちが中心となり、「本を借りてみようかな」と思えるような図書館づくりに取り組んだり、各学級で読書の機会を工夫したりして、全校をあげて取り組んでいるのです。

 また、読み聞かせや本の修理、図書館の飾りつけなど、年間を通して支援してくださる図書ボランティアの方々の温かい支援も、読書活動の推進に欠かすことのできない大きな力となっています。

 心も体も成長期にあり、何でも吸収できる子どもたちにとって、読書はとても大切です。映像が中心となった現代社会であれば、なおさらではないでしょうか。なぜなら、読書は、文章を読み取る力や表現する力といった国語の力を育てるということはもちろんですが、文字からいろいろな世界を空想したり、登場人物になりきって泣いたり笑ったり胸をなでおろしたりといった経験を通して、想像力を培い感性を磨き、豊かな心を育んでいくと考えられるからです。
季節は晩秋から初冬へ。暖かい部屋で時にはテレビを消して、親子で読書というのはいかがでしょうか。ご家庭での子どもたちへの投げかけをよろしくお願いします。

 蛇足になりますが、保護者の皆さんが子どもから「一押しの作品は?」と訊かれたら、なんと答えられますか。ちなみに、25名の教職員が答えた子どもたちへの一押しは何と全員まちまちで、コーナーには、25冊もの本が並んでいます。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 11月号より

人と関わり合う場を大切に

                        校長 高原明広

 昼休み、運動場や中庭で、我を忘れて走り回る子どもたちの姿を見ると、何かほっとした気持ちになります。子どもたちは、集団遊びをはじめ人や自然など他者との関わりを通して、生きてはたらく知恵や様々なルールを学び、よりよいコミュニケーションの取り方を身につけ、同時に豊かな心を育んでいくと考えられるからです。

 しかし、今日、子どもたちを取り巻く様々な社会環境の変化は、子どもたちから他者との関わり合う機会を奪う傾向にあるとも考えることができます。例えば、その一つにパソコン、携帯、スマホや多種多様なテレビゲーム機器などの普及があげられます。身の回りに、より便利で魅力的な電子機器が普及したおかげで、今の子どもたちはかつての子どもたちが味わうことのできなかった新たな世界に身を置くことができることの代わりに、直接人と関わったり自然にはたらきかけたりといった体験の場は、明らかに減ってきています。今の子どもたちが主に興じる電子ゲーム機は、基本的には一人一人個別の世界であり、人と人との直接の関わりという側面からは、かつての集団遊びの世界における人と人との関わり合いとは明らかに異なるものがあると感じます。

 そんな社会に生きる子どもたちに、私たち大人は、人との出会いの場やふれあいの場、関わり合う場を意識して提供し、子どもたちのコミュニティを広げていくことが、より健やかな成長に向けての重要な責務の一つではないかと考えています。

 学校では、より多くの方々との関わりの場を提供すべく、様々なゲストティーチャーを招き、その方との関わりを通してより専門的なことを学習する機会を作っています。先日、4年生は社会福祉協議会や地域の関係団体の方を招き、車いすのことや点字、手話などのことを、実習を通して真剣に学びました。3年生は、リコーダー協会から講師を招き、リコーダーの吹き方について、講師の方とのふれあいの中で技能を高める学習をしました。また、来月26日には、地域の見守り隊の方々を招いて感謝の会を開き、地域の方々との交流の場にしたいと考えています。

 学校から積極的にそのような場を求めて出かけていくこともしばしばです。今月末には、2年生は実際に山口線を利用して校外学習に出かけます。その過程で、駅員さんや乗客の方々との公共の場におけるちょっとした関わりやふれあいの場が生まれることも期待しています。

 子どもたちは、主体的に人や自然と関わろうとしているときの表情は、実に生き生きとしています。そして、関わりを持つことができた後の表情には、普段見ることができない充足感に満ちていることもしばしばです。それはきっと、本来子どもが持っているであろう人と関わることへの基本的な欲求が満たされたからなのかもしれません。
 科学技術の進歩によりどんなに世の中が移り変わろうとも、私たちは人との関わりの中で生きていき、人との関わりの中で成長していくものなのだと言うことを忘れないようにしたいものです。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 10月号より

ちょっと素敵な場面

                        校長 高原明広
 
 児童の様々な活動の中に、委員会活動があります。これは、学校内の仕事を子どもたちが分担して、より楽しくて充実した学校生活ができるようにすること、そして、学校集団の一員という所属意識を高め、自主的な生活態度や社会性を培うことを目的としていて、5,6年生全員が所属しています。

 本校には、運営、放送、広報、保健、環境、生活、体育、図書、福祉、給食、飼育の11の委員会があります。それぞれが主体的に日々一生懸命活動に取り組み、子どもたちの学校生活に、なくてはならない存在となっています。

 そんな中、ちょっと素敵だなと思う一場面を紹介します。毎日、給食時間が始まる頃、放送委員会の児童がやや緊張した面持ちで職員室にやってきます。その日、昼の放送でアナウンスする原稿がきちんと読めているかを職員室にいる教員に聞いて貰うためです。職員室に居合わせた教員の前で、放送委員会の児童は真剣に原稿を読みます。時には間違えて、「もう一度読んでごらん」と言われ、繰り返し読むこともあります。合格のサインをもらうと、ほっとしたように放送室に向かい、いよいよ本番となるわけです。この光景が、毎日繰り返されています。

 放送委員会は、一年生から六年生までの誰にでもわかりやすく、きちんと正しく内容を伝えると言う責務があります。特に給食時間の放送は、楽しい食事に潤いを与える役割もあります。このことは決して簡単なことではありません。大人でも、マイクの前に立つと、つい緊張してしまい早口になってしまうということもめずらしくないでしょう。逆に、慣れてくると、つい気を抜いてしまって、失敗して笑ったりと言ったこともありがちです。しかし、放送委員会の児童は、決してふざけた感じで全校に放送すると言うことはありません。それは、いつも事前の手続きを踏むことで、放送すると言うことに対する心構えが自然とでき上がり、ほどよい緊張感の中で活動をしているからだと思います。

 日々繰り返される小さな一コマですが、そこには、とても大切な意味があるのだと感じています。そして、こんな素敵な場面が当然のように引き継がれてきている小郡小の良さを改めて感じます。

 今朝も、あいさつ運動をしている傍らを火ばさみとバケツを持った環境委員会の児童が、一番に運動場のゴミ拾いに向かって通り過ぎていきました。後を追うように、校旗を大事そうにケースにきちんと入れ、運営委員会の児童が掲揚台に向かって通り過ぎていきました。ふと目をウサギ小屋に向けると、飼育委員会の児童がえさと水のお世話をしている姿が遠目に見えます。

 11の委員会活動では、今日も小さな場面ではあるけれど、素敵だなと思われる場面が、きっとあちこちで展開されているはずです。それは、目立たずとも実は、小郡小学校の子どもたちが躍動している瞬間でもあるのです。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 9月号より

夏の終わりに思うこと

                        校長 高原明広
 
 まもなく、長い夏休みも終わりを告げようとしています。今年は、例年のような酷暑とはならなかったものの、台風や秋雨前線による豪雨が、全国各地に大きな爪痕を残した夏でもありました。子どもたちは、それぞれどんな夏休みを送ったのでしょうか。9月1日、たくさんの思い出を胸に、全ての子どもたちが元気いっぱいに登校し、無事2学期のスタートが切れることを何よりも心待ちにしています。

 さて、夏休みは家庭や地域での生活が中心となるため、普段の学校生活ではあまり見ることができない、子どもたちの別の一面を見る機会に恵まれることがあります。その中で、平素から自分なりの目標に向かって懸命に努力をし、その成果を発揮しようとしているひたむきな姿に出会うと、その凛々しく頼もしい真剣な表情に、思わず引き込まれてしまうことがあります。

 この夏、本校の吹奏楽部の子どもたちは、夏休みに入ってからも連日何時間もの練習を繰り返してきました。先日、岩国市で開催された吹奏楽コンクールでは、子どもたちが目標としていた『中国大会出場』にはあと一歩届かなかったものの、それまでの練習の苦労や数分間の演奏に込めた子どもたちの熱い思い、そして何より音と向き合う真剣なまなざしが痛いほど伝わってきて、大きな感動を覚えました。

 招待していただき応援に行ったスポ少の野球大会でも、声を出し合い一心に白球を追う子どもたちのひたむきな姿から、多くの感動に出会うことができ、とても幸せな時間を過ごすことができました。音楽やスポーツやダンス、そろばんや習字と言った習い事に限らず、たとえば夏休みの作品一つにも、真剣に時間をかけて作品づくりや自由研究と向き合い、子どもたちの思いや努力の跡がしっかりと伝わってくるものがたくさんあります。他人にとって、それはひとつの演奏、ひとつの試合、ひとつの作品だったとしても、それが私たちの手元に届くまでには、きっと数え切れない多くのドラマがそこにあったのだと思います。

 もちろん努力したからと言って、必ずしも期待したとおりの結果に結びつくとは限りません。しかし、その努力を見逃すことなく回りにいる私たち大人が認め、価値づけ、課題とともに今後の方向性を示唆してやることで、その努力は徒労に終わることなく次へのステップへと必ず生きて繋がっていきます。そして、それはやがてその子の血や肉となり、目に見えずともかけがえのない財産となって、子どもたちの内面で生き続けるのだと思います。努力の積み重ねは、自分をしっかりと成長させてくれるのです。

 長かった夏、それぞれの子どもたちの周りでは、きっといろいろな場面で、かけがえのないドラマが繰り広げられたに違いありません。様々な経験を積んで一回りも二回りもたくましくなって子どもたちは学校に戻ってくるでしょう。2学期はまさに実りの秋。日常生活における子どもたち一人ひとりの努力を決して見逃さず、一人ひとりの成長にしっかりと目を向け、真に実りの秋、成長の2学期にしていきたいと思います。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 7月号より

身近な自然との関わりの中で

                        校長 高原明広
 
 毎朝、登校と同時に、中庭にある学級花壇の周辺が賑わいを見せ始めます。主に下学年の子どもたちが、ランドセルを背負ったまま、教室に入るよりもまず先に集まってくるからです。その目的は、自分が育てている花や野菜の苗が、昨日に比べてどれくらい成長したかを確かめること、そしてその後、心を込めて水をたっぷりとやることにあります。そんな時の子どもたちの表情は、実に生き生きとしていて、これは今も昔も変わらない子どもたちのほほえましい姿だと感じます。

 今、学習に関連して育てている植物は、キュウリ、ナス、ミニトマト、ピーマン、インゲン、ジャガイモといった野菜類にアサガオ、ホウセンカ、ヒマワリ、ヘチマなど多様なものがあります。また、学年の花壇には、マリーゴールド、ブルーサルビア、コリウス、ペチュニアといった夏から秋にかけての花々が、私たちの目を楽しませてくれています。そんな植物を栽培する目的は、学年や関連する教科等によって違いがありますが、それらの根底に流れる共通した願いは、いずれも『自然に学び自然を愛する心情を育てる』ということにあります。

 私たちの周りには、素晴らしい自然がいっぱいあります。「四季」の国日本となれば、その美しさはなおさらかもしれません。私たちはそんな自然に囲まれ、計り知れない自然との関わりの中で生きています。感性が豊かな子どもたちにとって、そんな植物や昆虫などの身近な自然に関心を持ち、意欲的に関わっていくということは実に大きな意味があるのではないでしょうか。

 植物の飼育栽培を扱うのは、主に生活科や理科が中心になります。1,2年生で学習する生活科では、身近な自然とのかかわりを一層深め、自然の美しさや巧みさ、不思議さや面白さなどの自然のすばらしさに気づいたり、身近な自然と関わり合う楽しさを体全体で感じたりすることを通して、自然を大切にする心を育んでいくことが大切だとされています。

 また、3年生以上で学習する理科では、植物の成長を喜んだり、植物を大切に育てたのに枯れてしまったといった体験、結実の過程を観察したり生命の連続性や神秘性を感じたりする体験を通して、生命を尊重しようとする態度や生物を愛護しようとする態度、自然を愛する心情を育んでいくことが大切であるとされています。( 学習指導要領 参照)

 学習に限らず、普段の日常生活においても、子どもたちが様々な自然とふれあい、その対象に積極的に関わっていくような体験を多く味わわせてやりたいものだと思います。そのためには、まず私たち大人が、日々の何気ないちょっとした場面の中に、自然を発見し、自然と向き合おうとする心のゆとりや自然に学ぼうとする謙虚さを忘れないようにしたいものだと思います。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 6月号より

1学期の折り返しを迎えて 〜学校生活の更なる充実に向け〜

                        校長 高原明広
 
 先日、おやじの会の方々が、土曜日にもかかわらず校内の環境整備に取り組んでくださいました。夏を思わせる暑い日差しの中で、汗をいっぱいかきながら黙々と作業に取り組んでくださる姿を拝見し、子どもたちを思うPTAの方々の温かい思いに胸が熱くなる半日となりました。

 そんな思いに応えるかのように、子どもたちの学校生活にとても落ち着きが感じられるようになってきました。新学期がスタートして早二ヶ月。新しい環境にも慣れ、何よりも子どもたち自身の、何事にも真剣に取り組もうとする気持ちが形となって表れてきているのだと考えています。

 例えば、集団で行動するときの静寂さです。先日、緊急時を想定した「お迎え下校」の訓練を行いました。各家庭への事前アンケートにより把握した「お迎えにかかる時間」ごとに、指定された集合場所(体育館、図書室前、昇降口)に移動し、担当教員の指示を受けながら静かに待機するといった内容の訓練です。普段の学級単位での集団行動とは指導者も周りのメンバーも違うにもかかわらず、移動の時も集合した後もほとんど私語がなく、真剣に訓練に取り組む姿がありました。

 運動場に目をやれば、運動会をめざして風に舞う乾いた運動場の砂を気にしながらも精いっぱい練習に取り組むひたむきな姿を毎時間のように見ることができます。短い練習時間で、本番に向け一日ごとに仕上がっていく練習風景を見ながら、子どもたちが持っている底知れぬパワーを改めて感じます。6月には、運動会も終わり、また一回りたくましく成長した子どもたちの姿に出会えていることでしょう。

 一方で、学校生活の主役はなんと言っても日々の授業にあります。その授業に取り組む姿にも落ち着きを感じています。校内を巡回していると、学年の発達段階に応じ集中して授業に取り組む姿や学習課題(学習のめあて)の解決に向け、懸命に意見を述べ合う姿など、子どもたちの真剣な学びの姿に出会うことができます。

 児童一人一人にとって、学校が学ぶ場所であること、自分らしさが発揮できる場所であり、自分の居場所がはっきりと実感できる場所であること、そのためには、学校全体が落ち着きのある雰囲気に満ちていることがとても大切であり、この雰囲気をしっかりと大切にしていかなければと考えています。

 学校生活の更なる充実をめざし、一学期を折り返していきます。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 5月号より

チャレンジ目標 あいさつ「山口市一」をめざして

                        校長 高原明広
 
 新学期がスタートして早3週間が過ぎようとしています。子どもたちは新しい環境にもだいぶ慣れてきたようで、毎朝7時40分前になると、まるで申し合わせたかのようにほぼ一斉に、元気いっぱい集団登校をしてきます。

 そんな活気にあふれた朝の楽しみの一つが、児童と「おはようございます」のあいさつを交わすことです。

 朝の児童のあいさつの様子は、実に様々です。遠くから運動場中に響き渡るような元気な声で挨拶をする児童もいれば、礼儀正しく近くまで寄ってぺこんとお辞儀をしてあいさつをする児童もいます。口は動いているけれど、声がほとんど届いてこない児童もいれば、話に夢中で一切構わず通り過ぎていく児童もいます。そんな光景が毎朝繰り返される中、たとえ声は小さくても、数メートルも手前から顔をこわばらせ何とかあいさつをしようと身構えて近づいてくる姿を見かけると、とても胸が熱くなります。もしかしたら、家を出るときに「今日こそは・・・」と自らあいさつすることを家族と誓ったのかもしれません。もちろんあいさつは、「自分の方から大きな声で」にこしたことはありませんが、今はまだ満点のあいさつはできなくても、その子なりにあいさつに対する精一杯の気持ちが伝わってきて、たとえ口だけが動いていても、私は心の中で「頑張ったね」と声をかけることにしています。声が小さかった子も、それを繰り返していくことで少しずつ声が出始め、あいさつをすることの苦手意識が解消され、自信が芽生えていってほしいと願っています。

 小郡小学校では、今年もチャレンジ目標に「『あいさつ山口市一』をめざそう」を掲げ、生徒指導部を中心にしてあいさつ運動を推進していきます。あいさつは、間違いなく日々の生活に元気や潤い、温かさを運んでくれます。人と人とのつながりを改めて気づかせてもくれます。そして何より、挨拶は、人とよりよく関わることができるコミュニケーション能力の重要な柱だと考えるからです。

 また、あいさつはよりよい習慣の一つであり、身につけさせるべき躾やマナーでもあります。だからこそ、子どもの時からその大切さに気づかせたいとも考えています。

 先日、おやじの会の方々が、出勤前の貴重な時間を使って、校舎の玄関前であいさつ運動に取り組んでくださいました。校区にはたくさんのあいさつ運動が展開されています。そういった方々の力もお借りして、地域をあげて『あいさつ山口市一』の学校をめざしていきたいと考えています。
 多くの皆様の声かけをよろしくお願いします。
このページのトップへ

平成26年度版 学校だより 「そよげ風」 4月号より

子どもたちの目の輝きから

                        校長 高原明広
  
 毎朝、多くの地域の方や保護者の方が通学路に立たれ、付き添いもされながら温かく子どもたちを見守ってくださっています。その中を元気いっぱいに登校してくる子どもたちの姿を見るとき、小郡小学校が多くの方々に支えられている幸せを感じます。そんな本校に、昨日66名の新一年生が入学してきました。全校児童数460名、19学級でいよいよ平成26年度、開校141年目のスタートです。

 私は、この度の異動により本校に赴任した高原明広と申します。先日、初めて臨んだ始業式で、ステージの上から見る子どもたちの生き生きとした表情や目の輝きがとても印象的でした。一つ上の学年に進級し、新しい教室、新しい仲間、新しい教科書に新しい先生、そんな多くの出会いの中で、この一年をどんな一年にしようか、どんなことを頑張ろうかと、きっと夢や希望で胸をいっぱいにしているであろう子どもたちの姿がそこにはありました。と同時に、子どもたちにとって(もちろん大人にとっても)一つの節目を迎えることの意味の大きさを改めて実感したような気がしました。

 感受性の強い時期にある子どもたちにとって、様々な節目を意識したり経験したりすることは、とても大切なことではないかと思います。例えば、誕生日やお正月、終業式や始業式、卒業や進学などなど・・・。人は節目に自分を振り返り、新たな目標を設定し、気分を一新してさらに自らを高めようと努めていくものです。そんな節目を素通りするのではなく、子どもたちがきちんとその節目を意識し前向きに乗り越えていけるよう、一人一人の思いをしっかりと受け止め、励ましたりアドバイスをしたりすることがとても大切なことなのではないかと思います。

 新しい学年のスタートにあたり、子どもたち一人一人が抱いている様々な思いを私たち大人が受け止め、そして価値付け、子ども自らがその思いをより確かなものへと高めていくことができるよう、支援していくことから始めたいと思います。
 この一年、『きめ細やかさと温かさ』をスローガンに掲げ、子どもたち一人一人の確かな成長をめざし、全職員一丸となって小郡小教育に取り組んで参りますので、保護者の皆様、地域の皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
このページのトップへ

平成26年度 現校長先生の着任時あいさつ

着任当初の校長先生のあいさつは、こちら に掲載されています。

SIDE MENU

このページのトップへ