教育の情報化に関する手引き> 第4章 情報教育> 第1節児童生徒に身に付けさせたい情報活用能力より
(表1)情報活用能力の規準リスト
  小学校 中学校
情報活用の実践力A
(1)課題や目的に応じた情報手段の適切な活用    
1 学習活動に必要とされるコンピュータやアプリケーションソフトの基本的な操作ができる 学習活動や日常の活動において,目的に応じてコンピュータやアプリケーションソフトを選択し,利用できる
2 10分間に200文字程度の文字が入力できる 10分間に300文字程度の文章が正確に入力・編集できる
3 電子ファイルを整理して適切な場所に保存できる データの保存形式を変更し,フォルダ構成を考えて様々な保存先に保存できる
4 情報機器で収集した情報を報告や発表に利用できる 情報機器で収集した情報を選択・評価・編集し,報告や発表に利用できる
5 インターネットの閲覧や電子メールの送受信ができる 利用の目的に応じて周辺機器をコンピュータに接続し,使用できるように設定できる
(2)必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造    
1 複数のキーワードを組み合わせて,大量の電子情報の中から必要な情報を検索することができる インターネットやデータベース,各種ファイル内から必要な情報を効果的に検索することができる
2 見学や観察,実験等で集めたデータを表やグラフに整理・処理し,考察できる 観察,実験等,あるいは通信ネットワークから集めたデータをグラフに表し,比較したり傾向や規則性を調べたり予想したりできる
3 インタビューやアンケート等を行って収集した情報を整理し,要点をまとめることができる 観察や実験,あるいは通信ネットワークから集めたデータを集計し,基本的な統計処理を行うことで比較したり傾向や規則性を調べたり予想したりできる
4 文字,写真,表,グラフ等を組み合わせて新聞やカードを作成し,調べたことや自分の意見を表現できる 文字,写真,表,グラフ等を組み合わせてレポートやポスターを作成し,分かったことや自分の主張を表現できる
5   音声や動画など多様なメディアを複合し,より効果的な電子ファイルに編集できる
(3)受け手の状況などを踏まえた発信・伝達    
1 伝える相手を意識して,自分の考えや気持ちを文書や手紙で伝えることができる メーリングリストやアドレス帳,ファイル添付など電子メールの機能を効果的に活用する方法を知り,経験する
2 インターネットを介して自分の考えや気持ちを誤解のない表現で伝えることができる 電子メールや掲示板,動画通信などを用いて,自分の考えや気持ちを正確に伝えたり,相手の気持ちを読み取ったりしてコミュニケーションができる
3 調べたことをWebページにまとめたり,相手にわかりやすくプレゼンテーション(発表)したりできる 文字の大きさや色遣い,画像の配置などレイアウトを工夫してわかりやすいWebページ,プレゼンテーション資料,アニメーションなどを作成し,自分の考えを発信できる
4 課題や目的に応じて,小学校で学んだ情報手段を適切に活用して発信(発表)内容の評価や改善ができる 課題や目的に応じて,中学校で学んだ情報手段を適切に活用して発信(発表)内容の評価や改善ができる
     
情報の科学的理解B
(1)情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解    
1 情報手段を利用して,情報を集めたりまとめたりする方法と,その特性を知る コンピュータの構成と基本的な情報処理の仕組みを理解できる
2 電子メールやWebページなどの情報手段を利用して,情報を伝える方法と,その特性を知る 情報通信ネットワークにおける基本的な情報利用の仕組みを理解できる
3 電子メールや掲示板などの情報手段を利用して,情報を交流する方法と,その特性を知る デジタル化の方法について知り,その特性や利点を理解できる
4 コンピュータを利用した計測・ 制御の基本的な仕組みを知ることができる コンピュータを利用した計測・ 制御の基本的な仕組みを知ることができる
(2)情報を適切に扱ったり,自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解    
1 自分の活動や学習の成果をデジタル情報に記録し,評価できる メディアの特徴と利用方法を知り,制作品の設計に活かすことができる
2 情報の信憑性を確かめる方法を知り,課題解決に利用できる 信憑性を確かめる方法を知り,いくつかの方法で自分の扱う情報の信憑性を確かめることができる
3 収集した情報を比較したり,分類したり,関連付けたりして情報の整理を行う方法を知る 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できる
4   情報を伝えるメディアの特性や,発信者から受信者までの情報伝達の過程を理解し,それを元に情報の真偽や質を吟味できる
     
情報社会に参画する態度C
(1)社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響の理解    
1 情報が社会に与える影響力や情報技術が社会の中で果たしている役割を理解できる 報道される事件や事故から情報や情報手段,情報技術が社会に及ぼしている影響について理解できる
2 情報を伝える産業としてマスメディアの使命や役割を理解できる 情報に関する技術が多くの産業を支えるとともに,社会生活や家庭生活を変化させてきたことを理解できる
3 自分たちの身の回りにも情報通信技術が活用されていることを知り,生活に役立っていることを理解できる 日常的な生活において情報や情報機器がどのような役割を果たしているか,事例をもとに理解できる
4   不正アクセスや迷惑行為の実態を知り,ウイルス対策や暗号化など基本的なセキュリティ対策の必要性を理解できる
(2)情報モラルの必要性や情報に対する責任    
1 相手を思いやるコミュニケーションができる 受け手の気持ちや考えを尊重してコミュニケーションができる
2 責任ある情報発信ができる 情報発信に責任を持ち,適正な情報が発信できる
3 ネットワークや情報機器を使う際のルールやマナーを守ることができる 情報通信ネットワーク利用上の基本的なルールや法律を遵守し,著作権や知的財産権を尊重できる
4 インターネットには不適切な情報や有害な情報があることを知り,安全で正しい対処ができる 安全性の面から情報社会の特性を理解し,危険を回避するとともに,万一問題に遭遇した場合にも,主体的に解決を図る方法を知る
5 個人情報やID・パスワードの大切さに気づき,守ることができる 自他の個人情報の重要性を知り,個人情報を守るために正しく対処できる
6 健康に配慮して情報機器を使うことができる 情報機器の使用による健康とのかかわりについて考え,情報機器の利用時間や頻度を自己管理できる
(3)望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度    
1 協力し合ってネットワークを使うことができる 情報を活用することの意義を理解し,積極的に情報共有をはかることができる
2 情報を発信する側に求められる役割や責任の大きさ,情報を受け取る側の正しい判断の必要性について考えることができる メディアから収集した情報には発信者の意図や背景があることを知り,批判的にとらえることができる
3   情報に関する技術を適切に評価し,活用する能力と態度を身に付けることができる