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5.うけつがれているもの
(6)大内こけし
大内ぬりのほかに、大内で作られているものに、大内こけしがあります。このこけしは、長野の原田信行さんが、昭和二十年ごろから作りはじめたものです。木の皮をけずらずにうまくいかし、どろえのぐを使って色をつけているので、自然のよさがいかされていて、そぼくな人形として親しまれてきました。
今は、信行さんのむすめさんが、少しずつ作っています。大内の東山あたりの山から木を切ってきて、皮を残したまま、のみで形を作ります。こけしの頭にする丸いところは、貝のこなをにかわでといたものにまぜあわせ、何回もぬりかさね、ペーパーでこすります。そして、それにえのぐで顔をかいていきます。着物のもようは、もとは、布をはって色をつけていましたが、今は、絵の具でそのままかいています。
男のこけしと女のこけしが1組になっていますが、1組を作るのに、3日ぐらいかかります。できたこけしは山口や防府のお店におろしています。
原田さんのところでは、この大内こけしのほかに、大内人形も作っています。また、今ではもう作っていませんが、少し前までは、湯田温泉に伝わる、白狐(しろぎつね)も作っていました。ホオノキ(木のしゅるい)を使って作られていた白狐にも、大内人形や大内こけしとまたちがった味わいがあり、そぼくな民芸品(みんげいひん)としてよろこばれていました。
数は多くありませんが、大内だけで作られている大内こけしが、いつまでもうけつがれていくといいですね。