
秋穂町に見られる花崗岩は、中生代白亜紀後期に、二酸化珪素に富む多量のマグマが貫入して形成されたもので、山口・広島・岡山の各県に広く分布しており、広島花崗岩とよばれている。花崗岩の形成された時期は、放射性元素によって測定されている。それによると各地の花崗岩の形成時期は、8000万〜9000万年前であり、秋穂町の筈倉の花崗岩では、8300万年前という結果が得られている。
筈倉や赤石鼻では、結晶片岩が熱変成を受けたり、花崗岩と結晶片岩の境が複雑に入り組んだり、マグマが急冷されて、花崗岩が細粒になったりしており、マグマの貫入の様子を知ることができる。
町内の花崗岩は、一般に等粒状で、結晶の大きさは7〜15mmと極めて粗粒である。浦など一部には、細粒や中粒のものも認められる。赤石鼻の結晶片岩との接触部では、結晶の大きさが1〜2mmと細粒であるが、接触部から離れるにつれて大きくなり、接触部から300mのところでは粗粒になっている。小浜山・日地山の南麓では、やや斑状になっており、1〜2mの石英・長石の中に、7〜8mmの長石の斑晶が認められる。
色は優白質で、斜長石・カリ長石・石英・黒雲母などからなっている。カリ長石はしばしば淡紅色をしている。これらの造岩鉱物の量比は、石英35〜40%、カリ長石35〜45%、斜長石15〜25%、黒雲母3〜7%となっている。この量比は、等粒状と斑状、粗粒と細粒とにかかわらずはぼ一定である。
捕獲岩はほとんど含まれないが、小浜崎では、2〜3m大の暗褐色のものがかなり認められる。この捕獲岩の由来ははっきりしない。
花崗岩中には、いろいろな方向の節理(割れ目)ができている。花崗岩は一般に節理に沿って風化が進んでおり、ときには球形をした未風化の部分が残っている。
花崗岩中には、アプライト(細粒花崗岩)やペグマタイト(巨昌花崗岩)が脈状あるいはポケット状に入っている。花香山の採石所では、ポケット状のペグマタイトが多く、ペグマタイトの帯状講造がよく観察できる。また、アプライトやペグマタイトは、三郡変成岩中にも見られ、幅10〜50cmの脈状をしている。三郡変成岩中のペグマタイトには、黒色の電気石、紅色のザクロ石、白色〜透明の白雲母などの結晶を含んでいる。ときには長石と石英がモザイク状に入り組んだ文象花岡岩も見られる。
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